AliExpressで約2500回、トータル約1000万円の買い物をしてきたAli兄さんです。
商品は発送されて、あとは到着を待つのみ。楽しい時間ですよね。
その楽しい時間を不安にさせること、それは、追跡に変化がないこと。
個人輸入をやっていると、誰しも一度は経験する『国際交換局から発送』のまま追跡が動かない謎…。
「え?国際交換局って郵便局みたいなところよね?発送ってなってもう1週間も経つのに…」
「飛行機ってそんなに飛び続けるの?もしかして船便で送られてる?」
なんて考えたことありませんか?
今回はその『国際交換局から発送』の謎について解説したいと思います。
国際交換局の概要
国際交換局に関しては以前書いているので、簡単に説明しておきます。
正式には、『国際郵便通関交換局』と言い、国際郵便物の通関交換業務、発着業務を行っている郵便局です。
昔は全国に多くの交換局がありましたが、郵政民営化に伴い、多くが廃止局となり、現在は全国に6ヶ所となっています。
業務内容は、基本的に国際郵便物の通関交換業務、そして、地域区分局として配達局・地域別に郵便物を仕分ける業務、集配など交換局によって様々です。
世界にも日本と同様に、国際交換局は存在し、追跡ステータスに『office of exchange』と表記されたりする、あれのことです。
国際交換局の詳細はこちらを参考にして下さい。
海外の国際交換局から日本へ発送までの流れ
現地の公的郵便機関のある、国際交換局に郵便物が到着します。
① 国際交換局に到着
差出人が発送した郵便物が、現地の郵便機関によって配送され、現地の国際交換局に到着します。
この際に、仕分けや、X線検査などします。
差立ての際は、通関業務はあっさりです。
海外の郵便機関の事なので断定は避けますが、その根拠として、追跡にも『通関』の履歴は表示されません。
※ 各国によって通関業務は様々でしょうが、日本郵政でも差立ての際は、検査等々は日本郵政の職員が行います。
② 国際交換局から発送
現地の郵便局職員によって、現地の航空会社へ引き渡されます。
発送となっていますが、実際にはまだ日本に向かって飛んでいません。
一般的なイメージとしては、現地の国際交換局から発送されたので、飛行機に乗って、日本へ飛び立った感覚だと思います。
そもそもこれが諸悪の根源です。
実際はこれで終わりではありません!
次に、現地の『国際交換局から発送』後の詳細を解説します。
海外の『国際交換局から発送』後から日本到着までの流れ
ここの解説が一番のポイントです。
追跡画面のように、現地の国際交換局から発送されて、何日もかかって日本の国際交換局に到着します。
日本の国際交換局に到着と表示が出るまで、何日も不安に苛まれた方は多いと思います。
「どれだけ飛行機は飛び続けるんだ!?」
「もしかして紛失しちゃったんじゃ…」
こんな気持ちだったのではないでしょうか。
まず大前提で、現地の国際交換局から発送された郵便物を飛行機に積載するのは、航空関係会社の方です。
そして、郵便物を運ぶ飛行機は、皆さんご存知の普通の旅客機を利用して輸送します。
極稀に、郵便物だけを運ぶ飛行機も使用されますが、ほとんど無いと思ってください。
現地の国際交換局から日本の国際交換局に到着までの図解
わかりやすく図解にしてみました。
黄色の枠内の様に、国際交換局から発送され、飛行機に積荷する工程の追跡はありません。
ということは、『国際交換局から発送』というのは、厳密に言うと
『国際交換局から航空関係会社に引き渡し』
が正しい表示なのでは?と私は思います。
いかがでしょうか?
もうこの時点で何となく、『国際交換局から発送』は、日本に向かって飛び立ったわけではない、とわかってきたんじゃないでしょうか。
2020年秋現在、世界は継続してコロナ禍にあり、郵便物流も大きな影響を受けています。
上記の図解で、緑の文字で書いていますが、
① コロナの影響で積み込む旅客機の便数が減少
② 航空関係会社の時短営業や人員削減の影響
③ 一般郵便物の中ではEMSが最優先
④ その他の種別は必然的に後回しで積み込み
上記の、①と②はコロナの影響をモロに受けています。
その中でも、③と④のように、郵便種別によって優先順位があります。
ただでさえアバウトな海外の人達が、優先順位を間違える事も往々にして予想できます。
コロナ(COVID-19)の影響を受ける積載所の図解
コロナ禍での、現地の積載所の風景のイメージです。
あくまでも、私の個人的な見解ですが、まぁ、当たっているのではないでしょうか…。
コロナの影響で積載する旅客機は少ない上に、自粛生活で通販関係の荷物は増えている。
作業する人員は少ない上に、ソーシャルディスタンス。
どう考えても遅延しますよね…。
そして、赤字で書いていますが、これは『国際交換局から発送』後に行われている作業です。
ここでの郵便物の積載待ちや遅延は日本郵政は無関係です。
引き渡し後の事でどうしようもありません。
購入して心待ちに追跡画面を眺めて、まだかまだかと待ち望んでいても、実際にはこのような作業後に、輸送のための飛行機が日本に向かって飛び立ちます。
コロナ(COVID-19)の影響で、シンガポールポストが航空便から船便に強制変更されている件
余談ですが、2020年秋現在の情報では、シンガポールポストは日本向けの航空便が無いということで、航空便を船便に切り替えて輸送しているようです。
一般利用者の方が、追跡画面からそれを読み取るのは不可能なので、追跡番号に『SG』の末尾がある場合は、いつもより余計に約1ヶ月近く待つ必要があります。
気になる方は、以下のリンクから国内の国際交換局に問い合わせをオススメします。
追記:2021年夏
以前に比べて、過度な遅延は減ってきているように思います。コロナの影響が再発しないとは限りませんが、マシになってきているようです。
シンガポールポストの遅延に関して。
『国際交換局から発送』のまま動きがなく、紛失を疑う状況について
追跡画面で1ヶ月以上も停滞したまま動きがない場合、「紛失したんじゃないか…」と不安になると思います。
さすがに1ヶ月以上もかかるの??というお気持ちですよね。
現実のお話をすると、『国際交換局から発送』のまま、2ヶ月ほど停滞し、その後動き出す事もあります。
また、同じタイミングで送ってもらった荷物は届いているのに、ひとつだけ届いていないなどの場合も、さらに紛失を疑うと思います。
どういう状況なのかというと、
荷物や郵便物はコンテナに入れられ、飛行機に積載されますが、同時期に現地から発送されたものでも、コンテナが違えば、当然到着に差が生じてきます。
しかし、日本郵政はコンテナ自体も追跡しているので、『国際交換局から発送』となっている、その荷物が入ったコンテナが日本に入って来ていないのであれば、紛失は疑わないでしょう。
逆に、その荷物が『国際交換局から発送』となっていて、コンテナ自体も日本に入って来ているのに、荷物の追跡が『国際交換局から発送』のままであれば、紛失を疑います。
仮に荷物の紛失の疑いがある場合、調査依頼をすると思います。
しかし、調査依頼は荷物の差出人側に権利があるので、受取人側は調査依頼はできません。
荷物・郵便物の権利は差出人側というのは、万国郵便条約で決められている国際ルールです。
AliExpressで買い物をして、荷物が紛失したかもしれない場合は、セラー側にお願いして、調査依頼を申請してもらわなくてはならないということになります。
これはよほど良心的なセラーでないと、わざわざ最寄りの郵便局に赴いて、調査依頼をしてくれる事はないでしょう。
それなら、Dispute(紛争)で返金したほうがマシ、となるケースが多いです。
気持ちはわかりますが、これは万国郵便条約で決められている国際ルールなので、どうしようもありません。
例えば、日本郵政が相手国の公的郵便機関に調査依頼をお願いしたところで、相手国の公的郵便機関はこの万国郵便条約を持ち出し、「権利は差出人側にあるので、差出人から依頼をかけてくれ」と突っぱねられるというのが現状です。
これは、日本郵政にいくら文句を言っても、お願いをしても、どうしようもありません。
※ 日本郵政の『お客様相談センター』は、派遣バイトがオペレーターをやっているレベルなのでやめましょう。がっかりするだけです。
国際交換局の詳細はこちらを参考にして下さい。
海外の『国際交換局から発送』後、各地を経由して輸送されるケース
日本郵政の追跡画面には表示されませんが、海外の国内を経由しながら輸送している例です。
上記の追跡では、8月11日に現地の『国際交換局から発送』となっていますが、その後、実際に中国を離れる便がある飛行場まで経由を繰り返しています。
これは、中国郵政の段取りの問題なのでどうしようもありません。
何とか日本に郵便物を届けるための経由なので理解はできますが、日本郵政の追跡画面に表示されないのが誤解を生みますよね。
現在はコロナの影響で飛行機の便数が少ないので、『国際交換局から発送』と追跡画面に表示されていても、世界中の国や地域を経由して、何とか日本に輸送するケースも非常に多くなっています。
ポイントとしては、より詳細な追跡を確認したいなら、現地の追跡サイトなどを利用し、トランスファーなどの詳細を確認しましょう。
以下のリンクは、追跡サイトだけに焦点を絞って書いています。
『17TRACK』が有名な追跡サイトですが、私は『Parcels』をオススメします。
↓こちらから、神サイト『Parcels』を使って検索してみてください。
国際郵便物の日本到着後の流れ
国際郵便物は、種別によって、全国の国際交換局の最寄りの空港や港に到着します。
そして、まず、それを誰が受け取り、どこに持っていき、何をするのかを説明します。
この例は、国際書留郵便なので、川崎東郵便局に全て到着します。
全てです。日本に送られてきた国際書留郵便は全て川崎東郵便局に到着します。
① 国際交換局に到着
日本郵政の職員のいる国際交換局に受け渡されます。
国内の追跡バーコードを貼ります。
※ Uから始まる無記録郵便には貼られません。
② 通関手続き中
局内に併設されている外郵出張所=いわゆる税関に引き渡します。
税関職員が通関させます。
※ 税関が、いの一番に受け取って通関ではありません。ちょっと意外ですよね。
③ 国際交換局から発送
通関後、再び国際交換局に引き渡されます。
日本郵政の職員が地域区分局として、国内に発送します。
そして購入者の受取人に到着します。
配達完了ですね。
『国際交換局から発送』の2回表示について
長期に渡り、郵便物が停滞した場合、『国際交換局から発送』が2回表示されたりします。
ひどい時には3回なんてこともあります。
これは、郵便物が積荷待ちでなかなか持ち出せなかった際に、荷物がごっちゃになり再びスキャンしたケースなどが理由です。
上記の追跡をご覧ください。
3月6日に広州の国際交換局から発送されたと思って待っていたら、3月31日にまた国際交換局から発送です。
これは地獄でした…。
3月6日から31日までの私のウキウキした気持ちを返してくれ!といった感じです。
例えばアフリカなどからの荷物では、『国際交換局から発送』の通知さえない場合もあります。
要は、荷物をスキャンしていないということですよね。
さすがアフリカです。
中国もなかなかだらしないイメージですが、日本と違い海外の方々の作業なのでアバウトな事もあるようです。
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【 まとめ 】
📌 追跡画面の『国際交換局から発送』は、航空関係会社へ引き渡しであり、日本へ向けて飛び立ったわけではない。
📌 『国際交換局から発送』後は、空港で積荷作業、積荷待ち、経由などで基本的にタイムラグが生じる。そして、それらの追跡は無し。
📌 コロナの影響で、各国の郵便物は飛行機への積荷待ち状態で遅延が発生。
📌 コロナの影響で、経由や船便への変更などで、通常よりも輸送日数がかかる。
📌 より詳細な追跡情報を確認したい場合は、日本郵政と現地追跡サイトや、世界中のキャリアをまとめて追跡できる17trackなどの検索サイトを比較する。
📌 『国際交換局から発送』の2回表示は、単純に2回スキャンしただけ。気にする必要無し。
📌 紛失を疑う場合は、日本郵政は荷物や郵便物が入ったコンテナ自体の追跡もしているので、コンテナ状況を確認してみる。
いかがでしたか?
『国際交換局から発送』のモヤモヤが晴れて頂けたなら幸いです。
とりあえず世界でのコロナが収束するまでは、日本がいくら日常の生活に戻っても、遅延は発生し続けると思います。
AliExpressユーザーの方は、セラーに「シンガポールポストだけはやめてください」と一言メッセージしておいた方がいいですね。
AliExpress Standard Shippingの場合は、仲介業者のcainiaoが割り振りするのでセラーもどうしようもないですが…。
今回説明した、『国際交換局から発送』後の飛行場での積荷作業は、コロナに関係なく行われている作業なので、そこは暖かく見守って行きましょうね♪
不明な荷物を一緒に探しましょう^^